スーパーフード
たまごは「命のカプセル」
有精卵を約38℃で21日間温めるとひよこが孵化します。これは、たまごの中に、必須アミノ酸、ビタミン、ミネラルなど、新しい生命を誕生させるために必要なすべての栄養素が詰まっているからです。
殻の中にさまざまな成分を包み込んだたまごの構造はまるでカプセルのよう。
薄くて割れやすいイメージのたまごの殻にも、外部環境から中身を保護するバリアとしての機能があります。殻の内側に「クチクラ」と呼ばれる薄い膜があり、細菌の侵入を防いでいるのです。また、卵白にも細菌の繁殖を抑える作用を持つリゾチームという酵素が含まれています。これらがたまごの中にある、命の始まりの状態「胚」を守っています。
そして、たまごの中心部に位置する卵黄には、良質なたんぱく質や各種ビタミン、ミネラルなど、成長期の子どもや高齢者の健康維持に欠かすことができない栄養素が豊富に含まれています。また、妊娠中は特に重要な葉酸や、抗酸化作用や免疫機能の維持に役立つといわれるセレンなどの微量栄養素も含まれています。
このように、たまごは殻の中に生命を育むためのすべてを備えていることから、まさに、「命のカプセル」といってよいでしょう。
栄養豊富で手軽に食べられる食材
たまごは、少ない量で多くの栄養素を摂れる優れた食品です。
良質なたんぱく質が豊富に含まれていて、体を構成し、生命を維持するために必要なアミノ酸をバランスよく摂取することができます。また、健康を維持するために欠かせないビタミンA、D、E、B群や、鉄、亜鉛、セレンといったミネラルなども含まれています。
さらに、卵黄には「コリン」という栄養素が含まれていますが、コリンは脂質の代謝を促進する作用や脳を活性化する働きがあり、生活習慣病の予防に役立つといわれています。また、「ルテイン」「ゼアキサンチン」といった目の健康を保つために効果のある成分も含まれています。
このようにたまごには多彩な栄養素が含まれているので、効率良く栄養を摂ることができるのです。
しかも、たまごは生でも食べられる上、ゆで卵、目玉焼きといった誰でも簡単に調理できるメニューからさまざまな素材と組み合わせた料理、お菓子の材料としてなど、多彩な味わい方ができるのも魅力。
保存も比較的簡単で、冷蔵なら数週間保存が可能です。
このように便利な存在であるたまごですが、価格が手頃で、購入しやすいのもうれしいポイント。たまごはたくさんの人の健康的な生活を支えているのです。
あらゆる世代の健康づくりに貢献
栄養価が高く、使い道が幅広いたまごは、赤ちゃんからお年寄りまであらゆる世代の健康づくりに欠かせない食材です。
離乳食から用いることができ、成長期の子どもにとっては体の成長を支え、脳の発達を助ける理想的なたんぱく源となります。学童期の集中力アップに役立つ栄養素も豊富。朝食にゆで卵を添えれば、元気に一日をスタートできるでしょう。
美容と健康に関心がある若い女性なら、たまごを食生活に取り入れることで、肌の艶やハリを保つビタミンEや貧血予防に効果的な鉄分がおいしく簡単に摂れます。
働き盛りの世代には、たまごの良質なたんぱく質が体力維持をサポートしてくれるのが魅力。また、たまごには脳の働きを助けるコリンも含まれているので、仕事の能率アップも期待できそうです。
お年寄りの方にとって、たまごは咀嚼しやすく消化の良い食材として重要です。筋肉の衰えを防ぐたんぱく質や、骨を丈夫に保つビタミンDが豊富なだけでなく、目の健康を守る栄養素も含まれているので、毎日の食事にぜひ取り入れたいですね。
そして、たまごは調理法が実にバラエティ豊か。例えば、朝食にオムレツ、お弁当にゆで卵、夕食に玉子焼きといった具合に、簡単に献立に取り入れることができます。和洋中、どんな料理にも使えて、アレンジも自由自在なので常備しておくと、とても役立ちます。
このように、たまごはライフステージに応じた栄養を提供し、健康的な食生活を支えます。手軽さと高い栄養価を兼ね備えたたまごを、毎日の食事に取り入れてみませんか。きっと、家族みんなの健康づくりに役立つはずです。