たまご1個に含まれるたんぱく質量はどれくらい?たまごのたんぱく質の上手な取り入れ方を紹介
近年、重要視されている「良質なたんぱく質」。たまごがその代表格であることを知っていますか?この記事では、たまごに含まれるたんぱく質の量や、良質とされる理由、たんぱく質補給に適した食べ方をご紹介します。たまごを上手に取り入れて、不足しがちなたんぱく質を手軽に補いませんか?
〈目次〉
1. たまごはたんぱく質の王様
1-1. たまごに含まれるたんぱく質はとっても良質!
1-2. たまご1個に含まれるたんぱく質の量は?
1-3. たまごのたんぱく質は体内で無駄なく使われる
2. 知っておきたい、たんぱく質の基礎知識
2-1. あらゆる世代で重要な働きを担っているたんぱく質
2-2. 日本人はたんぱく質が不足している
3. たまごはたんぱく質不足の救世主
3-1. たまごから上手にたんぱく質を取る食べ方は?
3-2. さらに筋力アップを目指すなら・・・
3-3. 生食、茹でて、焼いて・・・今の食事に「プラスオン」
1. たまごはたんぱく質の王様
蛋白(たんぱく)質の「蛋」という漢字は、中国語で鳥の卵を意味しています。
「蛋白」という言葉が初めて使われたのは、幕末の1861年、川本幸民という医師・蘭学者がドイツの化学書『化学の学校』オランダ語版を和訳した『化学新書』です。原著に登場した「たんぱく質」が、「卵白」を意味していたことから、「蛋」の字を当てたのが最初でした。
現代では、「たんぱく質の王様」と呼ばれることもあるたまごですが、100年以上前からたんぱく質の代名詞であったことがわかりますね。
1-1. たまごに含まれるたんぱく質は最高に良質!
良質なたんぱく質とは、人間の体内では作ることができない必須アミノ酸を、バランスよく含んでいるたんぱく質のことを言います。
厚生労働省が、この必須アミノ酸の含有バランスを「アミノ酸スコア」という数値で表しています。たまごのアミノ酸スコアは最高点の100。9つの必須アミノ酸すべてが、バランスよく含まれているのです。
また、たまごのたんぱく質が消化されると、アミノ酸がいくつかつながったもの(ペプチド)になります。その中には、老化や病気の原因にもなる活性酸素を除去する、グルタチオンというアミノ酸トリペプチドが含まれているのも、たまごの優秀な点です。
1-2. たまご1個に含まれるたんぱく質の量は?
たまご1個(約50グラム)には、約6グラムのたんぱく質が含まれています。
これをたんぱく質のイメージが強い、肉類と比較すると・・・
あの小さなたまご2個だけで、1食分の肉類に迫るたんぱく質量が含まれているのです。
さらに、鶏むね肉に次いで脂質が少なく、ビタミンやミネラルなどの栄養も豊富なのがうれしいポイント。
量的にも金額的にも無理なく取り入れられて、健康的に良質なたんぱく質を取れることがたまごの強みなのです。
参照:文部科学省「食品成分データベース」
1-3. たまごのたんぱく質は体内で無駄なく使われる
たまごの強みは、たんぱく質の質・量だけではありません。その利用効率が非常に高いことも魅力です。
利用効率とは、摂取したたんぱく質が、どれだけ体内で使われるかを示したもの。たんぱく質を多く含んでいる食品を食べても、体内で利用されなければ意味がありません。
その点、たまごは他の高たんぱく食品よりも、利用効率が抜群に高いという研究結果が報告されています。(山内文男「食品の科学 大豆の科学」)
2.知っておきたい、たんぱく質の基礎知識
たんぱく質は、炭水化物・脂質と並ぶ、三大栄養素のひとつ。
筋肉、内臓、骨、皮膚など、体のあらゆる組織を作り、エネルギー源になったり、神経やホルモンなどの機能を維持したりと、幅広く重要な働きを担っています。
2-1. あらゆる世代で重要な働きを担っているたんぱく質
たんぱく質は、胎児のときから、年齢を重ねて高齢者になっても、世代ごとに重要な働きを担っている、全世代に欠かせない栄養素です。
【子ども】
胎児期から、母乳やミルクを通して摂取する大切な栄養であり、臓器や体の新しい組織を作っています。また、成長期には筋肉増強、成長ホルモンや代謝の調整に欠かせません。
【大人】
筋肉量維持、代謝やホルモンの調節、疲労回復に効果があります。妊婦さんにとっては、胎児の成長や胎盤の形成にも。
【高齢者】
フレイル(心身の機能低下)や、サルコペニア(筋力低下)を予防し、健康寿命をサポートします。
2-2. 日本人はたんぱく質が不足している
厚生労働省の『日本人の食事摂取基準(2025年版)』によると、一般的な30~49歳の、1日のたんぱく質質摂取目標量は、男性88~135グラム、女性67~103グラムです。
これに対して実際の摂取量は、45歳男性が平均78g、45歳女性が平均63.1gと1日当たり5~10グラム前後足りていません。(同省『令和5年 国民健康・栄養調査』)
この不足分は、実に、たまご1~2個分(たんぱく質量6~12グラム)。そう考えると、この目標が、そう難しくないものに感じませんか?
3.たまごはたんぱく質不足の救世主
安価で手軽に、効率よくたんぱく質が取れるたまご。味にクセがないので、和洋中いろいろな食材との相性が良く、まさにたんぱく質不足の救世主!まずは今の食事にプラスオンするだけの取り入れ方がおすすめです。
3-1. たまごから上手にたんぱく質を取る食べ方は?
たんぱく質は、体内で一度に活用できる量に限りがあるため、一度に大量に取るよりは、こまめに取ると良いでしょう。また、朝食べると1日の代謝が上がると言われています。
たんぱく質の他にもビタミンやミネラルなど、健康的な栄養が多く含まれているので、いろいろな調理法でバランスよく取り入れましょう。
ただし、筋力アップを目指し、より効果的にたんぱく質を取りたい人には、加熱して食べることがおすすめです。次で詳しく解説します。
3-2. さらに筋力アップを目指すなら・・・
体力維持やダイエットの観点からも、筋力アップが重要視されています。たまごの良質なたんぱく質で筋力アップを目指すなら、生たまごよりも、茹でたまごや半熟たまごがおすすめです。
ベルギーのルーヴェン大学病院による研究で、たまごのたんぱく質は、加熱すると消化吸収率が50%から90%に上がることがわかっています。加熱によりたんぱく質が変性し、消化酵素による分解が容易になるためだと考えられています。
特に運動後45分以内が、吸収率アップのベストタイミング。トレーニングや運動後に食べると、傷ついた筋肉を修復してくれます。
部活やスポーツに打ち込むお子さんの間食に取り入れるのも、筋力アップの良いサポートになりますよ。
3-3. 生で、茹でて、焼いて・・・今の食事に「プラスオン」
たまごを1~2個プラスすることで、1日のたんぱく質目標量に、ぐんと近づきます。安価で簡単に、今の食生活を大きく変えず、「プラスオン」するだけで実現できる点も、たまごをおすすめする理由です。
【たまごをプラスオンする具体例】
◎朝食にお米を食べている人は、たまごかけご飯に
◎パンを食べている人は、たまご焼きや目玉焼きを追加
◎サラダに茹でたまごや半熟たまごを乗せる
◎おやつに、パンケーキ、プリン、ミルクセーキなどを取り入れる
◎小腹満たしに、茹でたまごを
◎ハンバーグに目玉焼きをプラスすると高級感が演出できます
幅広いアレンジで飽きが来ず、丼1つで楽しめる「めだま焼き丼」は、朝食だけではなくランチにも適しています。
いかがでしょう。たまごなら、あなたの今の生活のどこかに、手軽に取り入れやすいのではないでしょうか。
4. 1日2個以上食べても大丈夫!たまごで健康的にたんぱく質を取ろう
たまごには良質なたんぱく質の他、ビタミンやミネラルなどの栄養素も豊富です。
血中コレステロールをあげないために「たまごは1日1個まで」と言われた時代もありましたが、 最新の研究では、健康な人であれば、1日に2個以上食べても影響がないことが明らかになっています。安心して、たんぱく質対策にたまごを加えてみてくださいね。